近視・乱視・遠視について

 

 <近視について>

近視とは、遠くにあるものの像が眼の神経(網膜)の手前に像を結ぶため、遠くのものがよく見えない状態です。近くのものはどこかでピントが合うために、見ることができます。

 

多くは眼の球が長くなる軸性近視と呼ばれるものです。成長に伴って起きることが多く、身長が伸びるときなどには近視の度が進むことが多いといわれています。日本人は7割くらいが近視とされ、人種的に近視になりやすいといえます。10歳未満では軸性近視ではなく、屈折性近視といって眼の調節力が強くて起きる場合があり、精密検査が必要です。一般的には学童において、0.7を下回ると眼鏡が必要といわれています。

近視についての説明動画はこちら

軸性近視の場合、適切な眼鏡をかけることで、遠くにあるものがよく見えるようになります。最初は必要な時(授業中やテレビを見るとき)などだけ使う方法でも問題ありません。かけたり外したりしたから、近視が進むということではありません。あくまで、成長や環境への順応の結果として、近視が進むといわれています。眼鏡を合わせると、近視が進むということもありません。

 

<遠視について>

 遠視とは、遠くにあるものの像が、眼の神経(網膜)の奥に像を結ぶ状態です。遠くが良く見えるわけではなく、遠くも近くも厳密には少しはっきりしない状態です。ただし、人間の目には調節力(ピントを合わせる力)があるため、子供の時から、30代くらいまでは支障なく見えることがあります。

ただし、中には、遠視のために弱視といって、視力がうまく育たなくなることがありますので、子供(10歳くらいまでで)遠視が疑われたら、精密検査を受けることが大切です。6歳までが視力を発達するうえで重要な期間ですので、その間にはっきりとした画像を見せることが大切です。そのために、眼鏡を常用しないといけないことがあります。大人の場合には弱視になることはありませんが、眼性疲労や頭痛・肩こりの原因になることがありますので、気になる方は検査を受けることをお勧めいたします。

 

<乱視について>

 角膜(黒目の部分)が縦と横で微妙にカーブが違っていたり、水晶体(眼の中のレンズ)の屈折力が一定でないために、縦と横での光の像を結ぶ位置が異なる状態です。(厳密にはもう少し難しいのですが、簡略化のためにこう表記します)病気(円錐角膜・翼状片など)でなることもありますが、角膜の形の問題でなることも多々あります。ただし、まったく乱視がない人というのはほとんどいないため、多少あっても問題ないものです。

 月を見たときに二重に見えてしまうといった症状に代表されます。数年ではあまり変わりませんが、10年20年といった長い期間でみると微妙に変わっていくことがあります。一番良い矯正方法は眼鏡、あるいはハードコンタクトレンズとなります。ソフトコンタクトレンズでも矯正できますが、眼鏡やハードコンタクトレンズほどくっきりとしない場合があります。

 子供で問題になることは少ないですが、乱視が強いために弱視(別記)という状態になることがあり、その場合には眼鏡の矯正をする必要があります。

 

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