お知らせ

白内障で起きる意外な症状について解説いたしました。

白内障は見えにくくなるだけではなく、ほかの症状も起こします。

意外な症状について解説いたしました。

白内障は目の中にある水晶体というレンズが濁ってしまう病気です。多くは加齢により起きます。そうすると見えにくくなるというのが一般的なイメージかと思います。

 

実は、白内障は見えにくくなるだけでなく、意外な症状も起きるため紹介したいと思います。

 

1. 急性緑内障発作。主に遠視が強い方で、白内障が進んでくると起きることがあります。頻度は少ないですが、一度起きてしまうと、早めに治療しないと失明することもある怖い病気です。若い頃は目がよかったという方の方がなりやすいため、40歳以降の方は時々眼科で検診を受けていただいた方が良いと思います。

 

2.まぶしさ。これは白内障で水晶体がまばらに濁ってしまい、その結果として光が乱反射してしまうために起きる症状です。夜間の車のライトがすごくまぶしいなどといった症状を起こします。

 

3.近視の進行・乱視の変化

核白内障といって水晶体の真ん中が強く濁るような白内障を起こすと、通常の目の状態よりも近視が強くなってしまいます。これにより視力が下がるだけでなく、眼鏡やコンタクトレンズの度が合わなくなるようにもなってしまいます。

 

4. 偽うつ症・認知機能の低下

藤原京スタディによると、奈良で行われた65歳以上の約3000人の中では、視力不良な方ほど認知症の割合が多かったと報告されています。

また、白内障手術をすることで、軽度認知機能の低下を防ぐことができたと報告されています。

 

5.転倒による大腿骨骨折

先ほどの藤原京スタディによると、視力が低下しているほど、歩行速度が遅く、転倒リスクが高いことが報告されています。転倒することによって高齢者は大腿骨骨折を起こすことがあり、白内障により視力が下がることは危険といえます。

 

6.日内リズムの障害

白内障があると、太陽光の中にあるブルーライトが網膜に届きにくくなります。ブルーライトは悪者のように言われることもありますが、朝と夜の区別をするメラトニンというホルモンの分泌にかかわっています。昼間に十分にブルーライトを浴びることで、昼間という認識をして、夜は浴びないことで、1日のリズムを作っています。

 

7.死亡率が上がる

メルボルン大学の研究チームの報告では、白内障になって手術を受けた後では、死亡率、特に血管関連の死亡が増えたと言われています。心筋梗塞や脳梗塞といった病気が代表になります。白内障進行には酸化ストレスの増加が関与すると言われています。この酸化ストレスの増加は動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞などにも関わるため、白内障手術が必要なほど、白内障が進行すると酸化ストレスが全身にも影響を及ぼし、死亡率が上がるのではないかと考えられています。

 

以上をまとめますと、白内障があると視力が下がるだけではなく、認知機能の悪化や日内リズムの乱れなどさまざまな症状を起こすことがあります。気になる症状がある方は、眼科で一度診察を受けることをお勧めいたします。

ページの先頭へ