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緑内障で失明するのはどのくらい?ということについて解説しました。

緑内障は日本人の失明原因1位の病気です。緑内障は目の神経が目の圧力に比べて弱いために減っていってしまい、見えにくくなっていく病気です。緑内障と聞くと失明というイメージを持っている方も少なくないと思います。実際どのくらい失明してしまうのでしょうか?

そもそも、緑内障が日本人の失明原因1位の理由はその患者さんがとても多いということが一番関与していると考えられます。多治見スタディによると40歳以上で20人に1人、緑内障であると報告されています。人数としては約465万人と推計されています。

ほかの目の病気に比べて、患者さんの総数が多いためにどうしても失明原因の1位になりやすいといえます。

以前の海外からの報告によると失明原因で1/3は未発見、1/3は不適切な治療、1/3はアドヒアランス不良、目薬や治療をきちんと続けられないことが理由といわれています。

日本でも2000年のデータだと、緑内障があるのにもかかわらず、緑内障と診断されていない方が緑内障全体の90%であると報告されています。

また、目薬の治療をきちんと行わないと、進行スピードが6倍になってしまうともいわれています。

それでは、実際失明する確率はどうでしょうか。

 

アメリカやスウェーデンの報告では、

緑内障の方が10年治療して、片目が失明する率が約26%、両目だと約6%、20年治療で片目の失明が約38%、両目で約14%といわれています。

 

日本での報告ではなく、かつやや古いデータなので、おそらく今ではもう少し低くなっている可能性はありますが、やはり緑内障は年数がたつと失明しやすくなっています。

失明しやすいのは、緑内障の発見が遅い人、目薬などの治療をしっかりできない人といわれています。

イメージ的には緑内障といわれて、何もしないでいると10-20%は失明してしまいます。

それでは、どういう対処をしたらよいでしょうか。

まず、見つかっていない方が多いので、目の健診を受けることが大切になります。特に40歳以上で緑内障の率が上がってきますので、眼圧や眼底写真で判定することが大切といえます。日本人は正常眼圧緑内障といって、眼圧が正常でかつ緑内障の方が90%といわれていますので、眼圧測定だけでは不十分です。必ず、眼底写真、目の奥の写真の判定が大切といえます。

いったん緑内障が見つかった場合には、治療をとにかく続けることが大切です。緑内障の目薬をつけても、見えやすくなったり、すっきりするということはありませんが、つけ続けることで、10年後20年後に快適に過ごせる確率が上がります。

 

以上、まとめますと

緑内障は確かに日本人の失明原因1位の病気です。

しかし、早期発見、しっかりした治療を継続することで、失明の確率を下げることができます。

目の健診を定期的に受けることで、快適な目を維持していきましょう。

参考文献

Grant WM, et al.: Ophthalmology 1982

Peters D, et al.: Am J Ophthalmology 2013

 

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