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近視パンデミック 子供の目が危ない ということについて解説いたしました。

この頃は小さいうちから、スマホを使うお子さんが増えています。それに伴って、近視のお子さんが増加中です。2020年の文科省による統計では、裸眼視力が1.0以下のお子さんの割合は小学生の37.5%、中学生の58%、高校生の63%と言われています。40年前に比べて、小学生で2.1倍、中学生で1.7倍、高校生では、1.2倍に増えています。

世界においても非常に増えていて2050年には近視の方がなんと50億人になるのではという推計もあります。

 

近視が進んでも単純に眼鏡やコンタクトレンズを使えば良いのでは、と思われますが、果たしてそうでしょうか。

実は、近視が進んでしまうととても危険なのです。

近視がどのようなものかを説明する前に、目はどうして見えているかということについて説明します。

目の玉は外から光が入ってきて、角膜(黒目)、水晶体(レンズ)を通って、目の奥の網膜にピントがあいます。そこから脳に信号が伝わって、ものが見えるということになっています。

近視というのは、目がリラックスした状態で、網膜よりもピントが前にあってしまう状態です。目は普通は遠くを見たり近くを見たりするときに、無意識のうちに毛様体筋という筋肉を使って水晶体の厚さを変えて、ピントを合わせます。通常は一番リラックスした状態で、網膜にピントがあうのが、正視と行って、いわゆる目が良い人です。

近視の人は遠くからの光が、網膜より手前にピントが合うため、遠くのものがボケるというわけです。近くのどこかにはピントが合います。近視は軸性近視と屈折性近視に分けられますが、年をとるにつれて軸性近視が増えてきます。目の奥行き方向の長さが、長くなり、ちょうど目がラグビーボールのようになる状態です。

近くを見る時間が長いと、近視が進みやすくなってしまいます。特に8−13歳頃が近視が進みやすい年齢です。近視はおおよそ20歳半ばくらいになるとあまり変化しなくなります。近視は背が伸びるのと同じで、進むけれど決して軽くはならないという特徴があります。

これだけなら、単純に眼鏡やコンタクトレンズで矯正すれば見えるのですが、実は近視になるといろんな目の病気を起こしやすいことがわかってきました。日本人の失明原因1位の緑内障になる確率は、2倍から3倍となります。白内障という目のレンズが濁って見えにくくなる病気は、2倍から5倍になります。網膜剥離と言って、運が悪いと失明してしまう病気は3倍から13倍になります。近視性黄斑症という、網膜の一番大事なところが障害を受けて見えにくくなる病気は、なんと、14倍から845倍!となっています。この近視性黄斑症は大変治療が難しい病気です。このように、近視が進んでしまうと色々不都合が出てしまいます。

 

2000年ころまでは、何もできることがなく、諦めるしかありませんでした。近年の研究により、近視進行はある程度防ぐことが可能であることがわかりました。

進行に対して抑制できるのが、太陽の光と生活習慣、そして特殊な目薬(マイオピン)とコンタクトレンズ(オルソケラトロジー)です。

台湾での研究によると1日2時間太陽の光を浴びると、同じ年で近視になる子供の数が減っていくことが統計学上明らかになりました。

近くを見る時間を減らすことも大切です。20−20−20ルールというものがあります。これは、アメリカの眼科学会で提唱されました。20分近くを見たら、20秒間、20フィート(だいたい6M)遠くを見るというものです。元々は、目の疲れの予防に考えられましたが、近視進行の抑制にも役に立つと言われています。

 

そのほか、有効で、証拠があるものとしては、特殊な目薬(マイオピン)を夜1回つけるもの、さらに効果が高いものとしては、夜間に特殊な形状のコンタクトレンズを装用して、日中は裸眼で過ごせるオルソケラトロジーというものがあります。これは、日中快適に過ごせるだけでなく、近視進行も抑制してくれる良い治療法です。目薬とオルソケラトロジーを併用すると、さらに効果が高くなると報告されています。残念ながら、どちらも保険適応はないため自由診療となっています。

 

以上まとめますと、

近年、近視がすごく増えています。

近視は、将来的な白内障、緑内障、網膜剥離、近視性網膜症といったさまざまな目の病気につながりうるものです。

小さい頃からの予防が大切と言えます。

 

老眼鏡を使うと目が悪くなる!? 老眼対策に有効なのは。ということについて解説いたしました。

老眼鏡って嫌な言葉ですよね。老いるという漢字が入っています。英語では通常reading glassesと言います。直訳すると読書の眼鏡ですね。老眼鏡を使ってしまうと、目が悪くなるからやめた方がいいよ、といわれる方もいらっしゃいます。その真相について解説したいと思います。

まず、人間の目がどうして見えるかということについて説明します。外から入ってきた光が、黒目(角膜)を通って、水晶体でピント調整をして、ちょうどよく目の奥に当たります。そこから脳に信号が届くと、見える、そんな仕組みになっています。

 

その目のピント合わせをする水晶体 レンズですが、これは子供の頃はとても柔らかくて伸び縮みしやすいのですが、歳とともに固くなってきます。赤ちゃんの体はすごく柔らかいですが、大人になるにつれてだんだん固くなってきます。それと同じようなものと考えるとわかりやすいです。

 

眼鏡やコンタクトレンズを使って遠くがよく見える人の場合、40歳くらいから近くが見えにくく感じます。これが老眼です。イメージ的には水晶体が固くなるためにピントを合わせる幅が狭くなっている。さらにピントの合うスピードも減ってきます。そうすると近くを見た時に見えるスピードが遅くなり、ピントもあいにくくなり、目も疲れやすくなります。最近はスマホを使うことが多くなり、以前よりも近くでものを見ることが多くなります。そうするとさらに自覚しやすくなります。実際20代30代の方でも、近くが見えにくく感じて来院される方もいらっしゃいます。

 

こんな時にはどうしたら良いでしょうか。おすすめは早めに遠近両用眼鏡やコンタクトレンズを使うことです。なぜかというと、どちらもピントが遠くにあう部分と近くにあう部分があり、その度数の差が少ないため、割と自然な見え方になるからです。40代で使う方が、60代で初めて使うよりもずっと慣れやすくなります。年を重ねるにつれて、遠くと近くの度数の差が開くので、慣れにくくなってしまいます。

 

一度慣れてしまうと、度数が多少変わっても使い分けが簡単になります。例えると子供が初めて自転車に乗るときに、最初はなかなか大変ですが、一度乗れるようになるとそのあとはスムーズに自転車に乗れるのと同じようなものと考えてください。

 

実際、60代で初めて遠近両用眼鏡を使う場合には慣れるのに2−3ヶ月かかることもザラで、最終的にはあわなくて使えないということもあります。早めに遠近眼鏡を使いこなすと、そのあとの生活がずっと楽になります。遠近のコンタクトレンズよりも眼鏡のほうが、ピントがばっちりあうので、お勧めです。

20代30代の方で、スマホを見にくく感じている場合には、眼鏡やコンタクトレンズの度数を少し落とすだけで、すごく楽になることがあります。特に、しばらく度数を変えていない方は、知らず知らずのうちに過矯正になっている場合があるので、眼科で診察していただくとよいでしょう。

 

さて、いよいよ老眼鏡や遠近眼鏡を使うと老眼がさらに悪くなりやすく感じてしまう訳ですが、老眼鏡を一度あわせると、近くのどこかでぴったり見ることができます。ぴったり合っている状態からは、少しの度数の違いでも、視力の差として感じやすくなります。老眼鏡をかけたからと言って、老眼が進むスピードは変わりませんが、ちょっとの違いを感じやすくなっているため、老眼鏡をかけると老眼が進みやすく感じてしまうのです。おおよそ2-3年に1回はチェックしたほうが良いといえます。その都度、ベストの眼鏡にしておくと、疲れにくく快適に過ごすことができます。

 

目薬の正しいさし方!やってはいけない3つの間違い について解説いたしました。

ドライアイや花粉症、緑内障、白内障などで、目薬をつけている方が多くいらっしゃいます。目薬は自己流でつけてしまうと、効果がうまく出ないばかりか、悪影響を及ぼすこともあります。間違ったつけ方と、正しいつけ方について解説いたしました。

動画を見ていただくと言葉の説明よりも、つけ方がわかりやすいと思います。

 

 

正しい目薬のさし方を解説していきます!!

・手を洗う

➩手を清潔にして目の粘膜にばい菌が入らないように

 

・キャップを左手の小指で開けて持ったままにする

➩眼科医や眼科スタッフは持ってもできますが、通常は難しいです。

目薬のキャップの淵から内側にかけて触らないようにすることが大切です。

テーブルの上においてもよいです。とにかく内側には触らないようにしてください。

 

・黒目に目薬を落とす必要が無い

1滴で十分にしみこみます。数滴入れないと入った感じがしないという方もいますが、実際は1滴の半分の量で十分効果が表れます。たくさんつけると周りに流れるだけで、皮膚があれやすくなります。

 

・下まぶたに落とす方法(ゲンコツ点眼)

 ①あっかんベーをして下まぶたを出す

 ②上を見ることで上まぶたが大きく開く

 ③まつ毛に触れないように注意(まつ毛に触ってしまうと目薬が汚れる)

 ④目をつむる(1分くらい)

  (毛細管減少でまんべんなく広がっていく)

  ※パチパチしない

  (パチパチすると目薬の成分が流れ出てしまう)

 

まとめ

・目薬の付け方は間違っている方が非常に多いです

  1.目に近づけない、2.黒目に刺さない、3.パチパチしない 

 この3つを守りましょう!

 

・正しい目薬のさし方はゲンコツ点眼です

  1.まぶたを下にして、2.ゲンコツの上からさして、3.ゆっくり目をつむる

 

 以上の事に気をつけて正しく目薬をさしましょう!!

眼精疲労に効く 押すだけで簡単 目に良いツボの解説を行いました。

この頃はスマホを使う方が多くなり、目の疲れを感じて外来を受診される方も目立ちます。目の周りにはたくさんのツボがあり、目の疲れや眼精疲労に有効なものがあります。自分で押しやすいツボを紹介いたしました。それよりも大切なことも解説しています。

目の疲れは単純に同じ距離を長く見ることで、みえにくいとか、目の周りが重くなるなどといった症状がでることです。

眼精疲労とは、もう少し重いものと考えてください。目の疲れが慢性的になってしまって、頭痛や肩こり、さらにはうつ症状などを慢性的に生じる状態です。目の疲れがたまりにたまったというイメージです。

 一般的に遠くが良く見えている人は遠くを見るときに目の力を使わないで済むようになっています。普通に眼鏡やコンタクトレンズを合わせた状態あるいはもともと目が良くて眼鏡を必要としない人と考えてください。そういった状態の人が、近くを見るときには、目の中にある毛様体筋という筋肉を緊張させてピントを近くに合わせる必要があります。筋肉ですので、使いすぎると疲れてしまいます。それが目の疲れという症状として起きるものです。目が重い、見えにくい、肩こりがする、頭痛が起きる、肩がこるなどといった症状もともに起きます。

毛様体筋の力は年齢ともには変わらないといわれていますが、目の中のレンズの働きをする水晶体が硬くなってきます。これが老眼の原因で、近くを見るのがつらくなってきたり、見えにくくなるというものです。

そこで、眼科医が推奨する眼の疲れに効くツボを紹介したいと思います。

晴明や太陽というツボが有名です。晴明は目の内側やや上方のくぼんだ部分で、円を描くように1分程度押しましょう。太陽は眉尻と目じりの間にあるくぼみの部分です。1分くらい軽く押すようにするとよいです。

 風池というつぼは後ろ髪生え際から親指の横幅一本分上にあるへこんだところを10-20秒くらいを2-3回繰り返しやさしく押すと目の疲れや緊張性頭痛などに効果があります。

 眼球体操は眼科的にはあまり推奨しておりません。特に意図的に激しく目を動かしたりすると目の中にある硝子体というゼリー状物質が揺さぶられることで、網膜という神経の膜を引っ張り、網膜裂孔や網膜剥離につながることがあるためです。どうしても動かしたい場合にはゆっくり1-2週動かす程度にしてください。

ツボを押すと、ツボ押しそのものによる血流改善やストレスの低減効果があります。しかし、一番のメリットとして、普通ツボを押している間はパソコンやスマホを集中してみないと思います。この、デジタルデバイスを見ないということも目の疲れ対策にはとても有効です。パソコンで仕事をしている場合でも、1時間したら5分でもよいので、ツボを押しながら目を閉じたり、遠くの緑をみたりして目を休めることで、目の疲れや眼精疲労を予防できます。お金がかからず、メリットの多い手段といえます。

 

お酒の飲みすぎで白内障になる!? ということについて解説いたしました。

お酒は百薬の長と言われますが、飲みすぎるとよくないことも知られています。

わかっちゃいるけどやめられないというのがお酒です。詳しく解説いたしました。これは、

Alcohol use patterns and risk of incident cataract surgery: a large scale case-control study in Japan. Fukai K, et al. Scientific Reports, 2022

という論文をもとに作成いたしました。

この動画は白内障が気になる方や、アルコールがお好きな方には有益な情報が入っていますので、ぜひ最後までご覧ください。

今まで、他の国から報告されたものでは、アルコールは白内障のリスクを高めるものや、あまり関係ないものと様々なものがあり、統一見解はないというものでした。

日本において多くの方を対象とした論文が2022年に出版されたため、これをもとに解説いたします。

これは、合計3万人くらいのかたを対象とした、日本での労災病院34病院を合わせた統計です。これだけ多くの人を検討した統計はあまりありません。

アルコール摂取している人と、摂取していない人を比較しました。

白内障の手術が必要になる割合を検討しています。40歳から69歳の年齢の方を対象としています。

そうすると、週に1−3日飲む方は白内障手術をするリスクが1.1倍になり、週4-7回飲酒をされる方はリスクが1.3倍になります。3割増しなので、結構増えるという感じです。仮に100人いたら30人も増えるというものです。

飲む量としては1回にビール中瓶2本以上で、リスクが上がると言われています。1リットルなので、かなりの量ですね。

そのほか、飲酒をしていると糖尿病や高血圧になるリスクも増えてしまいます。

糖尿病もおおよそ1.1倍くらいになってしまうと言われています。

男女で比べると男性よりも女性の方が、より少ない量のアルコール量でリスクが高くなると言われています。元々女性の方が、男性よりも体が小さいことが多く、アルコール代謝も2/3くらいと言われていますので、納得がいく結果となっています。

逆に以前お酒を飲んでいた方が、禁酒をすると白内障手術のリスクは下がるという結果でした。

なぜアルコールを摂取すると白内障手術が必要になりやすいかというと、アルコールを摂取すると酸化ストレスが増して、白内障が進行しやすいのではないかということが考えられています。白内障は一般に加齢で悪くなるものですが、酸化ストレスが強くなると通常よりも若い年齢で悪化してしまいます。実際白内障手術が必要な患者さんは糖尿病があると10歳くらい年齢的に若くして必要になるという印象があります。

普通の白内障手術は70−80歳くらいで行うことが多いので、それより若い方で白内障手術が必要になるというのは、強い酸化ストレスにさらされていると考えられます。酸化ストレスが高まると水晶体は濁りやすくなってしまいます。

ただしこの論文にも問題があります。

最近の白内障手術は外来手術が多いのですが、この報告では入院での手術に限定して検討しています。通常入院で手術する場合には体の合併症も多いことがあるため、その分リスクが高い症例を対象にしている可能性があります。つまりより若い年齢で白内障が進行しやすい方を対象としているということです。

また、お酒の種類については不明なため、ビールが悪いのか、ワインが悪いのかあるいは日本酒が良くないのかということについてはわからないということが挙げられます。しかしながら、これだけ多くの方を対象とした研究は少ないため、非常に有益な情報と言えます。

以上をまとめますと、お酒をたくさん飲んでしまうと若くして白内障手術が必要になるリスクが上がってしまいます。適量を心がけてお酒を楽しんでください。

 

受診時マスク着用のお願い

2023年3月13日より、マスクの原則着用不要とされていますが、本クリニックでは高齢や基礎疾患がある方の受診も多いため、クリニック内でのマスクの着用をお願いいたします。

ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

 

目に良いナッツについて解説いたしました。

目に良いナッツ これだけの理由

診療をしていて目に良い食べ物は何ですか?と聞かれることがあります。いろいろあって、一言では難しいのですが、ナッツ類は意外と目に良いので紹介したいと思います。

ナッツとはいわゆる木の実です。アーモンド、クルミ、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツなどいろいろあります。このナッツにはビタミン、ミネラル、タンパク質がバランスよく含まれています。種類によってそんなに組成は大きくは変わらないというのが特徴です。おおよそ、脂質5-7割、たんぱくや炭水化物が2割、その他ビタミン、食物繊維という構成です。

ちなみにピーナッツはナッツとついていますが、硬い殻で包まれていないため、厳密にはナッツではないとされています。豆の一種となります。少しタンパク質が多いのが特徴です。

ナッツの良い点は様々あります。

まず、栄養価が高いです。 砂糖が多く含まれたお菓子よりもナッツのほうが血糖値の上りがゆっくりなので、糖尿病になりにくくなります。

・不飽和脂肪酸が多い

脂質が多いと、太る!というイメージがありますが、ナッツに含まれる脂肪は、ほとんどが不飽和脂肪酸というタイプです。コレステロールなどを下げる作用があるといわれています。魚に含まれている良い脂とされるDHAなどと同じ分類のものです。普通のお肉に含まれている脂肪酸は飽和脂肪酸といって、コレステロールや中性脂肪が高くなりやすいものです。脂質に比べて糖質が少ないため、砂糖と油を含むお菓子よりもずっとヘルシーな食べ物です。

・抗酸化作用をするビタミンが含まれる。

特にビタミンEは若返りビタミンともいわれるものです。アーモンドなどに特に多く含まれています。抗酸化作用により疲れ目や白内障の予防が期待できます。動脈硬化の予防や血圧の低下作用も見逃せない点です。

・ルテイン・ゼアキサンチンが含まれる。

ルテインは食べるサングラスともいわれる網膜を守る作用があるものを含んでいます。特にピスタチオには多く含まれています。ピスタチオにはグラム当たりだとアーモンドの1000倍も含まれています。ルテイン・ゼアキサンチンは脂質と摂取すると吸収されやすくなるので、まさにナッツから得るのに適しています。ただし通常の食事での理想的な摂取量は6mg/dayといわれています。これはホウレンソウで例えると2束となっています。2014年に慶応大学で行われた研究によると、一般の食事をされている方の摂取量は1.5mg/dayとなっていますので、食事から理想とされる量のルテイン・ゼアキサンチンを摂取するのは結構難しいのではないかと考えられます。

ピスタチオの摂取量は上限25gといわれています。これでも0.25mgくらいです。あまりとりすぎるとカロリー方になってしまうので注意しましょう。適度にサプリメントで補ったほうが良いと思います。

ポリフェノールの一種である、レスベラトール。ニューイングランドジャーナルで生活習慣病による死亡リスクを20%も減らしたと報告されています。ピーナッツの茶色い薄皮に多く含まれています。薄皮をむかずにたべるのがよいといわれています。強い抗酸化作用を持つため、白内障や加齢黄斑変性など、目の老化による病気も防いでくれるというものです。薄皮に含まれているので、皮のままの素焼きを摂取するか、砕いて料理に使うというのもお勧めです。

ナッツには抗酸化作用を持つポリフェノールがたくさん含まれています。

ナッツは噛み応えがあるので、しっかり感で食べることとで満足感を得られやすいです。食物繊維を含むと血糖値の上がり方がマイルドになり、糖尿病の予防にも役立ちます。

量としては自分の片手で入るくらい。塩分・油無添加がお勧めです。塩分が多いと高血圧につながります。油が多いとおいしいですが、摂取カロリーが高くなってしまいます。間食として少量摂取するとカロリーオーバーにならずに良いのではないかと思います。片手の平で持てる程度の25gくらいがよいとされています。

以上まとめますと ナッツには思ったより多くの目に良い成分が含まれています。カロリー的に多く思えても、不飽和脂肪酸が多いため適量の摂取では問題ないというものです。細かく覚えると大変なので、間食に素焼きのミックスナッツをとって目や体の老化予防をしてみてはいかがでしょうか。

 

花粉症目薬の使い分けについて解説いたしました。

花粉症がつらい季節です。

目のかゆみには主に目薬で治療を行います。注意点も必要なため、解説いたしました。

 

花粉症を持っている方の割合は40%-50%と報告されています。まさに日本人の国民病といっても過言ではありません。目がかゆい場合には目薬、鼻が詰まったりくしゃみが出る場合には点鼻薬を使います。それでも悪い場合には内服薬を使うこともあります。

 

眼科で花粉症の方に処方する目薬は大きく2種類に分かれます。抗アレルギー薬とステロイド薬です。抗アレルギー薬は一番基本になる薬で、アレルギー反応を起こす悪役のヒスタミンをブロックして、充血や目のかゆみ、めやにを抑えます。比較的副作用が少ない薬です。これでも収まらない場合に使うのが、ステロイド薬です。ステロイド薬は強力に炎症を抑えることができますが、炎症を抑えるために効きすぎると感染症を起こしてしまったりします。一番怖いのはステロイド薬を使用していると、目の圧力 眼圧が上がってしまうことがあることです。そうすると緑内障という病気になります。悪くすると失明につながる怖い病気です。

 

これはステロイド緑内障といって眼科医にはすごく一般的なことです。そのため、どんなにかゆい方が来てもステロイド薬はほんの少ししか処方しません。これは緑内障になってしまって気づかずにいるとどんどん視野がかけてしまうからです。怖いことに、眼圧は多少上がっても全く気付くことがありません。その間に神経がどんどん減って緑内障が悪化し見えにくくなってしまいます。

 

このステロイド緑内障は若い年齢ほどなりやすいといわれています。10代から20代くらいまでの方はとくに眼圧が上がりやすくなっています。実際の症例です。10代で重症の花粉症を持っている患者さんが、一度眼科で抗アレルギー点眼薬と少量のステロイド点眼薬を処方されました。その後、部活などが忙しくて眼科に行けないためほかの科の先生から長い間目薬の処方を受けていました。2年後久しぶりに受診したときには、眼圧が正常上限の1.5倍になっており、ステロイド緑内障を発症して、視野障害も中期くらいまで進行していたということが報告されています。ステロイド緑内障になった場合には痛みは全くなく、視野が徐々にかけてしまっています。徐々にかけるため、自分で気づくのが遅くなります。そのうえ、かなり高い眼圧になってしまうことが多く、短期間で視野が悪化する場合があります。一度、かけてしまった視野は治すことができません。早めに気づいて、ステロイド薬を減らしたり、中止すれば緑内障で視野が悪くなることはなかったと考えられますので、非常に怖い症例です。

 

ほかの科の先生が目薬を処方する場合には、眼圧や目の表面のチェックができないため、患者さんが希望するならと、ステロイド点眼を処方することがあります。先生は良かれと思って処方しているのだと思いますが、ステロイド緑内障になるとずっと視野障害が続いてしまい、将来的に失明のリスクが高くなってしまいます。患者さんもステロイド点眼は効果が高いためにこのステロイド点眼ばっかり使ってしまうことがあります。必ず、普通の抗アレルギー点眼を使って、悪い時にステロイド点眼を使うという風にしないと運が悪いとステロイド緑内障により失明につながります。ステロイド点眼を使う場合には必ず眼科でチェックを受けることが大切です。

 

まとめますと、花粉症で使う目薬のうちステロイド薬は効果は高いですが、緑内障になる危険があります。普通の抗アレルギー薬を使って効果が不足するときに使うようにしてください。必ず眼科でチェックしてもらいつつ、花粉症の治療を行うことが大切です。

目のかゆみに効く 花粉症対策 について解説いたしました

そろそろつらい花粉症シーズンがやってきます。早めに対策することで悪化を防ぐことができます。詳しく解説いたしました。

花粉症の有病率 持っている割合は1999年で20%だったのが、20年後の2019年では40%と言われています。まさに国民病と言っても過言ではないものです。

ひどくなると目が痒いし、くしゃみ鼻水も出るし、ぼーっとするし、コンタクトレンズはずれやすくなるし、とても辛いものです。

一番多いのがスギ花粉症です。だいたいシーズン的には2月から3月というイメージですが、実際には12月くらいから敏感な人は感じ始めて、ヒノキ花粉症も合併しやすいため、長いと4から5月くらいまで症状が出る方がいます。

そもそも花粉症というのは、正式にはアレルギー性結膜炎やアレルギー性鼻炎のことです。それが、主にスギやヒノキによって起きます。花粉が目や鼻の粘膜に触れて吸収すると、花粉がはじけて、アレルギー物質が放出されます。それに対して体の中の免疫細胞が過剰に働いてしまい、ヒスタミンなどの炎症を起こす物質を放出します。その結果、痒みやめやに、鼻詰まりやくしゃみを起こします。ヒスタミンの作用が強いとぼーっとしてしまうこともあります。今はコロナ禍でマスクをする方が多いので、鼻の症状は比較的抑えられることが多く、目の症状が強いという特徴があります。

治療として大事なことが3つあります。まず浴びないようにすることです。

鼻はマスクをすることで防げます。目に関してはコンタクトレンズよりは、眼鏡が良いです。眼鏡をかけるだけで、目に入る花粉を50%くらいに減らすことができます。専用の目の周りをしっかりおおうような眼鏡だと90%以上減らすことが可能となります。服はサラッとした素材がおすすめです。外出して家に入る前に軽く服をはらうことも有効です。

洗濯物は家の中に干したほうが花粉にさらされないのでおすすめです。外出する時には風が吹いたり気温が上がる時間を極力避けることも大切です。お天気情報サイトで花粉情報なども簡単にわかるのでチェックしたほうが良いと思います。

 

次に大事なのが、症状が出るか出ないかの時期、可能なら、例年の症状が出る2週間前くらいから点眼、点鼻などの治療を行うことです。これは初期療法というものです。

アレルギー反応は、一度はっきり起きてしまうとそこから落ち着かせるまでに時間がかかります。例えると、焚き火を起こすときに火が小さい時には風が吹いたりちょっと水をかけるだけでも消えますが、焚き火が大きくなった時には軽い風や水を多少かけても消えなくなります。それと同じことが目や鼻にもいえます。早めに薬を使うことで、症状が出るまでの期間を遅らせて、さらに症状のピークも抑えることができます。

最後に大切なのが、症状が出る期間はしっかりと薬を使い続けることです。

花粉症で症状がつらくなっていても、薬を使ってある程度良くなった時に薬をやめてしまうことがあります。そうするとまた症状が出てつらくなり、そこからよくするには今までよりも強い治療をしないといけないことがあります。ある程度良くなった時点でも、花粉症の時期には薬を使い続けることが大切です。悪い状態からよくするよりも、良い状態をお薬を使って維持することのほうがずっと少ない薬で可能となります。

そのほか大切なことは目は眼科医、鼻は耳鼻科医に見ていただくことです。専門の部位に関する治療は専門家の診察の上で、ベストな薬を選んでもらえるので、おすすめです。

まとめますと

花粉症対策として、浴びない、早めに薬を使う、シーズン中はやめないということが大切です。

これからのシーズンを快適に過ごしていただけるよう対処していただきたいと思います。

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