「ICLは総額でいくらかかるのか」「提示される手術費用と、実際に払う金額は違うのか」。費用の全体像がつかめず、検討が止まっている方も多いはずです。
迷うのも当然です。院ごとに料金の見せ方が違い、そのままでは比べにくいからです。
結論として、ICLは保険がきかない自由診療で、両眼の総額はおおむね45万〜70万円が目安です。内訳・レンズ種類・医療費控除まで順にたどれば、あなたの場合の総額が見通せます。
この記事でわかること
- ✔両眼の費用相場と、なぜ総額で見る必要があるのか
- ✔手術費用と実際に払う総額の差(検査・検診・オプション)
- ✔医療費控除は使える・高額療養費は使えない理由と戻る目安
この記事の目次
ICLの費用は両眼でいくら?相場の結論
ICLの費用は保険がきかない自由診療で、両眼の総額はおおむね45万〜70万円が目安です。
ICL(眼内コンタクトレンズ)は、目の中に小さなレンズを入れて近視や乱視を矯正する手術です。コンタクトのような毎日のつけ外しがいらず、必要になれば取り出せます。
この手術は公的医療保険の対象外で、費用は全額自己負担になります。公的医療保険が使える治療のような自己負担の軽減はなく、かかった費用の全額を支払います。
ICLの保険適用について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
相場の見方には幅があります。両眼でおおむね45万〜66万円(税込)とする解説もあれば、50万〜70万円とする解説もあります。横浜のあるクリニックでは、両眼49.5万円〜と案内する例も見られます。
金額の見え方が院によって違うのは、料金に含めている項目が異なるからです。安く見える価格でも、検査や検診が別なら、最終的な支払いは結局近づきます。だからこそ、比べる出発点は表示額ではなく総額です。
まず「両眼でざっくり50万円台」を基準に置くと、各院の見積もりが高いか安いか判断しやすくなります。
ICL費用の内訳|手術費用と実際に払う総額の差
ICLの総額は、適応検査費・手術費・オプション費・術後検診費の4つの要素で決まります。手術費だけを見ても、実際の支払いはわかりません。
総額を構成する4つの費用
この4つが総額に含まれるかどうかは、院ごとに扱いが分かれます。とくに検査費と検診費が別か込みかで、見かけの安さの印象は大きく変わります。
| 費用の種類 | 内容 | 総額での扱い |
|---|---|---|
| 適応検査費 | 目の状態やレンズ度数を調べる術前検査 | 別料金の院と手術費に含む院がある(例:術前検査2回で11,000円) |
| 手術費 | レンズを挿入する手術そのものの費用 | 総額の中心となる部分 |
| オプション費 | 乱視用・強度近視用など度数に応じた追加 | 使用するレンズで加算される |
| 術後検診費 | 手術後の経過を診る検診 | 一定期間無料で含む院と、別料金の院がある |
たとえば術後3年間の検診が手術料金に無料で含まれる院なら、その分だけ表示額が高めに見えても、後からの出費は抑えられます。逆に検査や検診が別料金なら、後日の追加負担が積み上がる点に注意が必要です。
キャンペーン価格と通常価格を分けて見る
料金をキャンペーン価格と通常価格に分けて掲示する院もあります。それでも、見比べるのは諸費用込みの実質総額にしましょう。
キャンペーン価格は期間限定で、適用に条件が付くこともあります。目立つ安い数字だけで決めると、条件から外れて通常価格になる場合もあります。
安さの理由が「一時的な割引」なのか「もともと含む項目が少ない」のか。ここを分けて考えると、院ごとの本当の差が見えてきます。
レンズ種類・乱視・度数で変わる費用早見
ICLの費用は、レンズの種類と度数・乱視の有無で変わります。同じ「ICL」でも、選ぶレンズによって金額が加算されます。
眼内コンタクトレンズにはSTAAR社のICL(EVO ICLもこのシリーズです)やIPCLといった種類があり、さらに単焦点と多焦点(老眼対応)で料金が分かれます。
| レンズの種類・条件 | 特徴 | 費用の傾向 |
|---|---|---|
| ICL(STAAR社・EVO ICL) | 広く使われる眼内レンズ | 基準となる価格帯 |
| IPCL | ICLとは別メーカーの眼内レンズ | 院により設定が異なる |
| 多焦点(老眼対応) | 複数の距離にピントが合う | 単焦点より高くなる傾向 |
| 乱視・強度近視の追加 | 度数に応じて専用レンズを使う | 度数に応じて片眼ごとに加算 |
乱視の有無や近視の強さで使うレンズが変わり、その分が加算されます。たとえば、乱視用ICLは片眼49,000円、強度乱視用は片眼137,000円、中等度以上の近視用は片眼76,500円の追加(いずれも税込)とする料金設定があります。
乱視や近視が強い方ほど、基本料金に上乗せされて総額が上がりやすくなります。老眼にも対応したいなら多焦点レンズになり、費用はさらに加わります。
自分の度数や乱視でいくら加算されるかは、適応検査を受けて初めて確定します。早見はあくまで目安として見ておきましょう。
クリニックによって費用が変わる理由
クリニックで費用が変わる主な理由は、料金に含まれる項目の範囲と使うレンズ製品の違いです。相場が同じでも、含む内容が違えば総額は変わります。
- 適応検査・術後検診・保証がどこまで料金に含まれるか
- 使用するレンズ製品や術式の違い
- 立地や手術実績など、院ごとの体制の差
術後3年間の検診を無料で含む院もあれば、検診は都度払いの院もあります。含む項目が多い院は表示額が上がりやすいものの、後からの出費は読みやすくなります。
クリニック選びでは、料金体系が明確かどうかが要点です。何が含まれ、何が別なのか。ここがはっきり書かれている院ほど、総額を見積もりやすくなります。
費用は住んでいる地域や、通える範囲にどんな院があるかでも検討が変わります。地域ごとに比較したいときは、次の記事も参考になります。
医療費控除は使える?高額療養費との違いと戻る目安
ICLの費用は医療費控除の対象になり得ますが、高額療養費制度は対象外です。この2つは仕組みがまったく違うため、混同しないようにしましょう。
医療費控除の仕組み
医療費控除は、1年間に払った医療費が一定額を超えた分を所得から差し引ける制度です。確定申告で税金の一部が戻ります。
対象になるのは、年間の医療費が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)を超えた部分で、上限は200万円です。
視力回復のためのレーザー手術(レーシック)の費用は、医師の診療または治療の対価と認められ医療費控除の対象になると国税庁が示しています。同じ視力矯正手術であるICLについても、対象になると案内しているクリニックがあります。
ただし、個別のケースで対象になるかは税務署の判断によります。申告前に、管轄の税務署や国税庁の情報で確認しておきましょう。
高額療養費が使えない理由
高額療養費制度がICLに使えないのは、自由診療は制度の対象外だからです。
高額療養費は、公的医療保険が適用される医療費の自己負担が上限を超えたときに払い戻す仕組みです。保険のきかないICLは、そもそもこの制度の枠の外にあります。
「高額な手術だから高額療養費で戻る」と考えると、計算が狂います。戻り得るのは医療費控除だけ、と整理しておきましょう。
戻る金額の目安
戻る金額の目安は、控除額に自分の所得税率を掛けたイメージです。所得税率が高い人ほど、戻る額も大きくなります。
【戻る額のイメージ】
たとえば年間の医療費がICL費用だけなら、そこから10万円を引いた額が控除の対象です。その控除額に所得税率を掛けた分が、税金の軽減としておおよそ戻ります。
実際には住民税の軽減も加わるため、体感としては実質負担が下がります。正確な額は収入や他の医療費で変わるので、確定申告のときに計算するのが確実です。
支払い方法と負担を抑える方法
ICLの支払いは一括だけでなく、月々に分けられる方法も用意されています。まとまった出費が難しくても、選択肢はあります。
主な支払い方法
- 現金・クレジットカードでの一括払い
- クレジットカードの分割払いや医療(メディカル)ローンで月々に分ける
- 学割・モニター価格を設けている院を選ぶ
医療ローンや分割払いを使えば、月々の支払いに均せます。ただし分割では金利や手数料がかかり、総支払額は増えることがある点は押さえておきましょう。
学生向けの学割、症例協力を条件にするモニター価格など、通常より抑えられる仕組みを設ける院もあります。適用条件は院ごとに違うため、事前の確認が欠かせません。
加えて、加入している生命保険の手術給付金の対象になる場合があると案内する院もあります。契約内容によるので、保険会社や証券で対象になるか確かめておきましょう。
ICLは高い?コンタクト・メガネ・レーシックとの費用比較
ICLは初期費用こそ高いものの、長い目で見るとコンタクトの継続費と比べる視点が役立ちます。一度きりの手術費と、使い続ける費用は性質が違います。
コンタクト・メガネとの生涯費用
メガネやコンタクトは買い替えとケアの費用が続くため、20年といった長期では総額が積み上がります。
| 比較の軸 | ICL | メガネ・コンタクト |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高い(両眼45万〜70万円目安) | 1つあたりは安い |
| 継続費用 | 少ない | 買い替え・ケア用品が続く |
| 長期の総額 | 初期が中心 | 使い続けるほど積み上がる |
ICLは、コンタクトを20年間使い続けた場合のトータルコストと比較されることがあります。目先の金額だけでなく、これから何年使うかで印象は変わります。
レーシックとの違い
ICLとレーシックはどちらも視力矯正手術ですが、ICLは角膜を削らず、レンズを取り出せる点が特徴です。
レーシックは角膜を削って光の屈折を変える手術で、いったん削った角膜は元に戻せません。ICLは目の中にレンズを入れる方式なので、必要になれば取り出しや入れ替えができます。
費用は術式や使うレンズで異なり、どちらが向くかは目の状態によります。最終的な適応は、費用ではなく医師の診察で決まります。金額だけで手術方法を選ばないようにしましょう。
「安いから」で術式を決める前に、自分の目に合う方法を検査で確かめてから費用を比べてみてください。
ICLの費用に関するよくある質問
費用でつまずきやすい疑問と答えを、短くまとめました。
- Q. ICLの費用は片眼だけだといくらですか?
-
A. 両眼総額の相場がおおむね45万〜66万円(税込)とされるため、片眼はその半分程度が目安です。
ただし片眼のみの料金設定や割引の有無は院で異なるので、実際の額は見積もりで確認してください。
- Q. ICLのレンズ交換や再手術の費用はかかりますか?
-
A. 保証期間内なら追加費用なしで再手術に対応する院がある一方、保証の期間や条件は院ごとに異なります。
契約前に、どこまで保証に含まれるかを確認しておきましょう。
- Q. ICL手術費用は医療費控除の対象になりますか?
-
A. 視力回復手術は国税庁が医療費控除の対象と示しており、ICLも対象と案内するクリニックがあります。
一方で高額療養費制度は自由診療のため対象外です。
個別の判断は税務署に確認してください。 - Q. 提示された手術費用以外に追加でお金はかかりますか?
-
A. 適応検査費・術後検診費・乱視や度数のオプションが別途になる場合があります。
含まれる範囲は院で異なるため、表示額に何が含まれるかを事前に確かめると総額を読み違えません。
まとめ|総額と制度を知れば費用は見通せる
ICLは自由診療で、両眼の総額はおおむね45万〜70万円が目安です。表示された手術費用ではなく、検査・検診・オプションを含めた総額で比べることが、判断の軸になります。
費用は医療費控除の対象になり得ますが、高額療養費制度は使えません。戻る額は控除額に所得税率を掛けたイメージで、その分だけ実質負担が下がります。
安く見える価格でも、含まれる項目次第で最終的な支払いは変わります。
まずは各クリニックの公式サイトや無料の適応検査で、あなたの度数・乱視に合わせた正確な見積もりを確認しましょう。
最終的な費用と、ICLが受けられるかどうかの適応は、医師の診察で決まります。金額の全体像をつかんだうえで、検査を通して自分に合う選択を落ち着いて見極めてください。

