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「レーシックを受けたいけれど、後遺症が残ったらどうしよう」——そこで検索の手が止まっている方は少なくありません。
- ✔「ドライアイや光のにじみは、どのくらいの確率で起きるの?」
- ✔「後遺症が出たら、いつまで続くの?」
- ✔「角膜を削らない方法と、どう比べればいい?」
見え方に関わる手術ですから、慎重になるのは自然なことです。ただ、症状名だけが並んだ情報を読んでも、不安が増していくばかりではないでしょうか。
レーシック後の不調の多くは、ドライアイやハロー・グレアのように術後3〜6か月で軽くなっていきます。一方で角膜を削る術式である以上、長く残る可能性のある症状もあります。
判断のカギは、症状ごとに「どのくらいの頻度で起きるか」「いつまで続くか」を数字で押さえること。そのうえで、角膜を削らないICL(眼内コンタクトレンズ)も並べて比べます。
この記事の結論
- ✔多くの症状は3〜6か月で軽快しやすい
- JSCRSによると、ドライアイの症状は一般に1週間〜3か月程度で改善。グレア・ハローも多くは3〜6か月ほどで気にならなくなります。
- ✔重い合併症の頻度は0.1%未満だが、削った角膜は戻らない
- 感染症も角膜拡張症も報告値は0.1%未満。ただし角膜を削る術式のため、判断は事前にしかできません。
- ✔迷うなら、角膜を削らないICLも並べて適応検査を受ける
- ICLにも合併症の報告はあります。それでも構造が違うため、後遺症の起き方そのものが変わります。
この記事の数値は、公的な一次情報から出典つきで引用しています。JSCRS(日本白内障屈折矯正手術学会)・日本眼科学会・消費者庁・海外の臨床研究などです。
レーシックの後遺症とは?一時的な合併症との線引き
レーシックの後遺症とは、手術で角膜を削った影響が回復期を過ぎても残り、乾きや光のにじみなど見え方の不調が続く状態です。
術後しばらく続く目の乾きやまぶしさは、その多くが治っていく過程の反応です。こちらは一過性の合併症にあたります。
回復の目安期間を過ぎても不調が残り、生活に影響し続けるものが後遺症です。両者は症状名では区別できません。経過した時間で見分ける——ここが線引きの基準になります。
たとえばドライアイは、手術時に角膜の神経が一部切断されるために起こるとJSCRSは説明しています。その神経は半年〜1年ほどで修復され、症状も一般に1週間〜3か月程度で改善します。ただし、長期間続く人もいるとされます。
またJSCRSは、術後の不満で頻度的に多いものを3つ挙げています。屈折異常の残存・目の乾燥・暗いところで見えにくいの3点です。いずれも手術前に無症状だった人に出やすいとされます。
角膜を削るという術式の前提
レーシックは角膜にフラップ(ふた状の薄い層)を作る手術です。その下の角膜実質をレーザーで削り、屈折を変えます。削り取った角膜組織は元に戻りません。
フラップの大きさは約9mm径。これに対しICLは約3mmの創口からレンズを挿入します(アイクリニック東京)。傷の作り方がそもそも違います。
この不可逆性があるため、日本眼科学会の『屈折矯正手術のガイドライン(第8版)』は低矯正への追加手術に条件を置いています。屈折状態が非進行性であること、術後に十分な角膜厚が残っていること。この2点の確認を求めています。
つまり後遺症は、「怖いか怖くないか」ではなく症状ごとの発生頻度と続く期間で判断するものです。報告されている主な症状は9つ。頻度も続く期間も、それぞれ大きく異なります。
レーシックの主な後遺症・合併症9つ|発生率となぜ起きるのか
レーシックで報告されている主な症状は9つに整理できます。頻度が高いのは見え方の質に関わる軽い症状で、重い合併症ほど頻度は低いという構図です。
以下の数値はいずれも出典つきの参考値で、報告によりばらつきがあります。個々の結果を保証するものではありません。
ドライアイ|角膜の神経が切断されて涙が減る
レーシック後のドライアイは、目の乾き・異物感・涙の減少として現れます。術後にもっとも多く訴えられる症状です。
原因ははっきりしています。フラップを作る際に角膜の神経が一部切断されるためだ、とJSCRSは説明しています。神経がセンサーとして働かなくなると、涙の分泌指令もうまく出なくなります。
その神経は半年〜1年ほどで修復され、症状は一般に1週間〜3か月程度で改善します。ただし長期間続く人もいる、とも明記されています。
頻度の参考値になるのが、米国FDAのPROWL-1(262名)・PROWL-2(312名)研究です(JAMA Ophthalmology, 2017)。術前スコアが正常だった参加者のうち約28%(95%CI 19〜37%)が、術後3か月時点で軽度〜重度のドライアイ症状を有していました。
国内の調査もあります。消費者庁が2013年11月に20〜60歳代のレーシック手術経験者600人へ行ったアンケートでは、4割以上が不具合を訴えました。光のにじみ・ドライアイの継続・暗所での見えにくさなどです(日本経済新聞 2013年12月5日)。
ハロー・グレア|夜間に光がにじむ・まぶしい
ハロー・グレアは、夜間に光源のまわりに輪が見えたり(ハロー)、ギラついてまぶしく感じたり(グレア)する症状です。対向車のヘッドライトや街灯が見づらくなるため、夜間に運転する方には無視できません。
JSCRSは、角膜切除による収差やドライアイなどさまざまな要因で起こると説明しています。暗い場所では瞳孔が広がり、削って形の変わった角膜の周辺部まで光が通るためです。
経過については、多くは3〜6か月ほどで気にならなくなるとされています。
一方で、軽い変化まで含めれば経験する人は決して少なくありません。FDAのPROWL研究では、術前に視覚症状のなかった参加者のうち、術後3か月時点で新たに視覚症状を報告した割合がPROWL-1で43%、PROWL-2で46%でした。
ただし同研究で、視力への不満足は1〜4%、手術への不満足は1〜2%にとどまっています。症状の自覚と満足度は、必ずしも一致しません。
近視の戻り(リグレッション)|数年後に視力が下がる
近視の戻りは、術後に年月をかけて屈折が元の方向へ戻っていく現象で、リグレッション(regression)と呼ばれます。
総説『屈折矯正手術の最新動向』(五十嵐章史、視覚の科学 第37巻第2号)によれば、PRKやLASIKなどエキシマレーザーによる角膜屈折矯正手術では、長期的にリバウンドを生じることが明らかになっています。
同院の経験としては10年でおおよそ矯正量の10%弱のregressionを生じるとのこと。矯正量が大きい例では裸眼視力が低下し、再手術や眼鏡使用となることもある、と報告されています。
再手術の頻度はJSCRSがまとめており、2〜10%と報告によりばらつきがあります。症例数の多い論文では37,932眼で3.8%、3,786眼で1.7%。再々手術が必要となる割合は0.1〜0.3%ほどです。
再手術率が高くなる条件も示されています。
- 近視・乱視の度数が強いほど高い
- 遠視の矯正で高い
- 年齢が高いほど高く、特に40歳以降
なお、戻ったら必ず削り直せるわけではありません。日本眼科学会のガイドラインは追加手術(enhancement)に、非進行性であることと十分な残存角膜厚の確認を求めています。角膜が薄ければ、追加矯正という選択肢自体が取れなくなります。
過矯正・低矯正|遠視化による頭痛や眼精疲労
過矯正とは、角膜を削りすぎて遠視寄りになった状態です。ピントを合わせ続けるために目が常に調節を強いられ、頭痛や吐き気、眼精疲労につながります。
消費者庁・国民生活センターは2013年12月4日に注意喚起を公表しました。表題は『レーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分受けましょう!』です。
事故情報データバンクに登録されたレーシック手術による危害情報は80件(2013年11月8日までの登録分)。このうち症状は過矯正による遠視が最も多かったと報告されています。
それに伴う頭痛や吐き気等で日常生活に支障を来すケースのほか、乱視・光をまぶしく感じる・ドライアイ・目の痛みなども挙げられました。このうち消費者安全法の重大事故等として公表された事案は7件です。
逆に削り足りない低矯正では、近視や乱視が残ります。JSCRSも術後の不満で頻度的に多いものの筆頭に屈折異常の残存を挙げています。
角膜拡張症(ケラトエクタジア)|角膜が薄くなり前に突出する
角膜拡張症(ケラトエクタジア)は、角膜が薄くなって前方に突出変形し、円錐角膜のような形状変化を起こす状態です。強い不正乱視を生じ、眼鏡での矯正が難しくなります。
発生頻度は、JSCRSによれば1千眼以上の多数症例の報告で0.1%未満。頻度としては低い部類です。
原因の多くは、術前の角膜形状不正、または強度近視のため角膜切除量が多すぎて残った角膜厚が不十分なことにあると説明されています。
だからこそ術前の検査が要になります。JSCRSは、角膜形状がボーダーラインの場合はレーシックではなく有水晶体眼内レンズ(phakic IOL)などが推奨されるとしています。ICLはこの有水晶体眼内レンズにあたります。
感染症・角膜炎|頻度は低いが早期治療が要となる
術後感染症の頻度は、JSCRSによれば最近の報告で0.1%未満。1万眼以上の多数症例の報告では0.03〜0.04%とされています。
ただし、初期に適切な治療をしないと角膜に混濁が残って矯正視力が低下し、重症では角膜移植が必要になる可能性もあると明記されています。頻度が低くても、対応の速さがそのまま結果を左右します。
失明については、JSCRSはレーシックで失明することはまずないとしています。ただしごく稀に術後の矯正視力が低下する可能性はあり、その原因として感染症・角膜拡張症・レーザーの照射ずれが挙げられています。
術後に強い痛み・充血・急な見えにくさが出た場合は、様子を見ずに執刀した医療機関を受診してください。
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術後検診の予約日まで待つ必要はありません。夜間・休日の連絡先を手術前に控えておけば、いざというときに迷わず動けます。
角膜混濁・上皮下混濁(ヘイズ)|角膜が濁って見えにくくなる
角膜混濁は、透明であるはずの角膜が白く濁り、光が散乱してコントラストや矯正視力が落ちる状態です。上皮のすぐ下に濁りが出るものは上皮下混濁(ヘイズ)と呼ばれます。
起こる経路のひとつが、感染症の初期治療の遅れです。JSCRSは、適切な治療をしないと角膜に混濁が残り矯正視力が低下すると説明しています。
もうひとつは、削られた角膜が治ろうとする反応そのもの。眼科医院のコラムでも、角膜混濁・上皮下混濁がレーシックの症状項目として挙げられています。
なお、この症状について信頼できる公表頻度は確認できていません。数字がない以上、起きやすい・起きにくいの断定は避けるべき領域です。
フラップトラブル|ずれ・しわ・上皮迷入(イングロース)
フラップトラブルは、レーシック特有の構造リスクです。約9mm径のフラップを作って角膜を削る術式のため、そのふた自体が弱点にもなります。
具体的には、フラップのずれやしわ、フラップの下に角膜上皮が入り込む上皮迷入(イングロース)。眼科医院のコラムでも症状項目として挙げられています。
気をつけたいのは期間です。フラップは縫合しないため、強い衝撃や目を強くこする行為への注意が長期にわたって続きます。格闘技や球技を続ける方は、術前の相談で必ず伝えておきたい点です。
ICLは約3mmの創口からレンズを挿入する術式で、フラップを作りません。この違いは構造上の差として押さえておく価値があります。
不正乱視・偏心照射|見え方の質が落ちる
不正乱視は、視力表の数値には表れにくいのに「なんとなく見づらい」が続くタイプの症状です。
レーザーの照射中心が瞳の中心からずれる偏心照射が起きると、角膜の形が非対称になり、見え方がゆがみます。眼鏡やソフトコンタクトでは補正しきれないところが、不正乱視の厄介さです。
JSCRSも、ごく稀に術後矯正視力が低下する原因のひとつとしてレーザーの照射ずれを挙げています。
また、レーシック後の眼は角膜形状が変わります。そのためオートレフラクトメーター(機械測定)の値と自覚度数がずれやすくなります。屈折矯正手術に精通した視能訓練士による検査が重要とされるのは、このためです。
後遺症はいつまで続く?術後の時間経過でみる回復と残りやすい症状
レーシック後の症状は、術後3〜6か月をひとつの区切りとして軽くなっていくものと、年単位で別の動き方をするものに分かれます。
術後1か月〜1年以降の見通し早見表
術後の経過時間でみる症状の見通し(出典値をもとにした目安)
| 時期 | 軽快しやすい症状 | 残りやすい・注意する症状 |
|---|---|---|
| 〜術後1か月 | ごく初期のドライアイは1週間程度から改善が始まる例もある | 乾き・夜間のにじみが強い時期。痛み・充血・急な視力低下は即受診 |
| 〜術後3か月 | ドライアイは一般に1週間〜3か月程度で改善(JSCRS) | FDA PROWL研究では3か月時点で新たな視覚症状43〜46%、ドライアイ症状は術前正常者の約28% |
| 〜術後6か月 | グレア・ハローは多くが3〜6か月ほどで気にならなくなる(JSCRS) | この時期を過ぎても続く乾き・にじみは執刀院に相談する目安 |
| 〜術後1年 | 切断された角膜神経は半年〜1年ほどで修復(JSCRS) | 長期間ドライアイが続く人もいると明記されている |
| 1年以降 | 回復による自然軽快は期待しにくい時間帯 | 近視の戻りは年単位で進行。10年でおおよそ矯正量の10%弱という報告 |
なお、この表はあくまで報告値をもとにした目安です。回復には個人差があり、経過を保証するものではありません。
近視の戻りだけは時間軸が違う
近視の戻りは、時間が経つほど進みうる変化です。回復につれて軽くなる他の症状とは、動き方が逆になります。
そのため「半年たてば落ち着く」という見方は当てはまりません。10年でおおよそ矯正量の10%弱という報告を踏まえ、長い目で考える項目です。
経過観察してはいけない症状
痛み・急な視力低下・強い充血が出たら、当日でも受診してください。時間の経過を待つ判断が、そのまま不利に働く症状です。
感染症は初期治療が遅れると、角膜混濁や矯正視力の低下につながります。迷ったときほど、早く連絡するほうが安全側です。
後遺症が起きやすいのはどんな人?リスクを高める3つの要因
後遺症のリスクを高める要因は、角膜の条件と、術前の確認の丁寧さに集約されます。
① 強度近視で角膜の切除量が多くなる場合
度数が強いほど削る量が増え、残る角膜厚が薄くなります。JSCRSは角膜拡張症の原因として、強度近視のため角膜切除量が多すぎて残った角膜厚が不十分なことを挙げています。
再手術率についても、近視・乱視の度数が強いほど、遠視で、年齢が高い(特に40歳以降)ほど高いとされています。
② もともと角膜が薄い・形状がボーダーラインの場合
術前の角膜形状不正も、角膜拡張症の主な原因としてJSCRSが挙げているものです。
この場合の指針ははっきりしています。角膜形状がボーダーラインならレーシックではなく有水晶体眼内レンズ(phakic IOL)などが推奨されるとされています。
適応外に近い状態で無理に受けないこと。それが最も効く予防策です。
③ 適応検査やリスク説明が不十分なまま進める場合
消費者庁と国民生活センターは2013年12月4日、『レーシック手術を安易に受けることは避け、リスクの説明を十分受けましょう!』と題した注意喚起を公表しています。
説明を受けないまま進めると、期待と結果のギャップも生まれます。JSCRSも、術後の不満で多い3つの症状は手術前に無症状だった人に出やすいと指摘しました。
そして最大の前提が不可逆性です。削った角膜は戻せないため、適応の判断は手術前にしかできません。日本眼科学会のガイドラインが追加手術に十分な残存角膜厚の確認を求めているのも、この一方通行性を踏まえたものです。
削った角膜を戻せないことは、眼科医がレーシックに慎重になる理由のひとつです。詳しくは眼科医がレーシックをしない理由を解説した記事をご覧ください。
レーシックとICLは後遺症の起き方がどう違う?角膜を削るかどうかで比べる
レーシックとICLの違いは、角膜を削るか、眼内にレンズを入れるかという一点にあり、そこから後遺症の起き方そのものが変わります。
日本眼科学会の解説によれば、有水晶体眼内レンズは中等度〜強度の近視・遠視・乱視が対象。約3mmの傷口から挿入し、片眼数分程度で終わります。
術後の見え方の質・満足度が高くリバウンドも少なく、いつでも取り除けること。こうした特徴から、LASIKに代わり国内の視力回復手術の主役になっているとされています。
後遺症の発生機序でみるレーシックとICLの比較
| 項目 | レーシック | ICL(有水晶体眼内レンズ) |
|---|---|---|
| ドライアイ | フラップ作成で角膜の神経が一部切断されて起こる。一般に1週間〜3か月で改善、神経修復は半年〜1年 | 角膜の神経へ与える影響はとても小さい。ただし消毒や術後点眼の影響で術後1か月程度は乾燥感を感じることもある |
| ハロー・グレア | 角膜切除による収差やドライアイなどが要因。多くは3〜6か月で気にならなくなる | 瞳がレンズの光学部より大きくなったときに感じることがあるが、夜間見えづらいと訴える方は少なく、多くは時間とともに気にならなくなることが多い |
| 近視の戻り | 長期的にregressionを生じ、10年でおおよそ矯正量の10%弱という報告。再手術は2〜10% | 角膜形状を変えないためリバウンドも少ないとされる(日本眼科学会) |
| 角膜拡張症 | 0.1%未満(1千眼以上の報告)。切除量過多や術前の形状不正が原因 | 角膜を削らないため、切除量不足による角膜厚の問題は生じない。形状がボーダーラインの人にも推奨されうる術式 |
| 感染症 | 最近の報告で0.1%未満、1万眼以上の報告で0.03〜0.04% | これまでの調査で6000眼に1例ほど。適切に処置をすれば重篤になることは稀とされる |
| 白内障 | — | 孔が無い旧モデルは1.1〜5.9%と報告されたが、現在主流のホールICLでは0.49%と報告されている |
| 元に戻せるか | 削った角膜組織は戻らない | 何年経過しても眼内から摘出することが容易で、抜去した場合は手術前と同様にメガネやコンタクトレンズで視力を矯正することが可能 |
| 将来の白内障手術 | レーシックを受けたことを必ず医師に伝える/度数計算に術前データが必要/計算式に限界があり大きくずれた場合は眼鏡矯正や眼内レンズ交換等が必要になる場合がある | ICLを摘出した後、通常の白内障手術と同じように手術が問題なく行えることが分かっている |
ICLにも合併症はある
ICLが合併症と無縁というわけではありません。JSCRSは以下の点を明示しています。
- 長期に緑内障のリスクが高くなることはないが、術後一過性に眼圧が上がる可能性がある
- 術前から緑内障のある人は慎重に考える必要がある
- 術後に強く目を打撲するとICLが脱臼することがあり、速やかに整復手術が必要になる
- 乱視矯正ICLは眼内で回転すると矯正効果が弱くなり、整復術や入れ替えが必要になることがある
失明の扱いも同様に慎重です。JSCRSは、ICL手術で失明することはまずないとしています。ただしごく稀に術後矯正視力が低下する可能性はあり、その原因には感染症などがあると説明しました。
ICL側のデメリットや向かない人の条件は、ICLはおすすめしない?後悔しないために知るデメリットと向かない人の特徴で詳しくまとめています。
どちらが優れているかではなく、どちらが自分に合うか
レーシックとICLに一律の優劣はありません。角膜の厚み・形状・度数によって、適する術式は人ごとに変わります。
ただ、後遺症の起き方が構造から違うという事実は判断材料になります。角膜神経を切らない、角膜厚を消費しない、レンズを摘出できる——この3点は、後遺症が不安な人ほど効いてくる差です。
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カタログを見比べるより、自分の角膜の数字を知るほうが近道です。適応検査を受ければ、厚み・形状・度数という判断材料が手元に残ります。
ICLを相談できるクリニック2院|実績・保証・術後検診で比べる
ICLの適応検査は、屈折矯正手術を専門に扱うクリニックで受けられます。どの院が合うかは角膜の厚み・度数など適応で変わるため、比べるべきは知名度ではなく検査と術後の体制です。
以下の2院は、いずれもICLを含む視力矯正手術を扱う専門クリニックです。
先進会眼科

- 東京・大阪・名古屋・福岡に展開する視力回復治療の専門クリニック
- ICL手術に注力し、日帰り手術を提供
- レーシックの後遺症・リスクに関する解説コラムも自社サイトで公開
| 手術費用 | 近視のみ:両眼 42.7万円(税込) 乱視あり:両眼 47.6万円(税込) |
| 術前検査 | 手術費用に含む |
| 実績 | 累計5.5万症例以上 |
| 手術保証 | 3年(定期検診・再手術無料) |
| 術後検診 |
3年間無料
|
品川近視クリニックとの差分:拠点は東京・大阪・名古屋・福岡の4都市。日帰り手術に対応しています。
4都市に拠点があるため、進学や転勤で移動する可能性がある方でも、術後の通院先を確保しやすい構成です。仕事を長く休みにくい方には、日帰り対応も現実的でしょう。
先進会眼科の口コミや、受けた人が感じたメリット・デメリットは、先進会眼科の評判をまとめた記事で紹介しています。
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拠点が複数あるかどうかは、術後検診を最後まで通いきれるかに直結します。転居の予定がある方はとくに確認しておきたい点です。
品川近視クリニック

- 全国展開の屈折矯正専門クリニック
- 症例数が多く、屈折矯正手術の経験が蓄積されている
- 適応検査と手術を同日に行うプランがある
| 手術費用 | 近視のみ:両眼 40.7万円~(税込) 乱視あり:両眼 50.7万円~(税込) |
| 術前検査 | 無料 |
| 実績 | 累計12万件以上 ※国内最多症例数 |
| 手術保証 | 3年(視力低下時の再手術無料) |
| 術後検診 | 3年間無料 ※期間内の検診・相談が無料 |
先進会眼科との差分:全国展開で、適応検査と手術を同日に行うプランがあります。
遠方から通う場合、検査と手術で二度往復せずに済むプランがあると負担の差は大きくなります。ただし同日実施が可能かどうかは、角膜の状態や度数など適応の判定次第です。
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同日プランを選ぶ場合も、リスク説明を聞く時間はしっかり取りたいところ。予約時に検査の所要時間を確認しておくと落ち着いて臨めます。
どの院を選ぶにせよ、出発点は同じです。角膜の厚み・形状・度数を測る適応検査から始まります。
費用と医療費控除はどうなる?|総額で比べて控除で戻す
レーシックもICLも公的医療保険が適用されない自由診療です。費用は医療機関ごとの設定なので、適応検査費・術後検診費・保証の範囲まで含めた総額で比べます。
両眼の相場や内訳はICLの費用は総額いくら?両眼の相場と内訳をやさしく解説で整理しています。保険の扱いはICLは保険適用される?費用と医療費控除・実質負担を解説もあわせてご覧ください。
自由診療でも、視力回復のための手術費用は医療費控除の対象になります。国税庁は、近視の治療のために受けるレーシック手術の費用が対象の医療費に該当するとしています。
その年に支払った医療費が原則10万円(総所得金額等が200万円未満の人はその5%)を超えれば、超えた部分(最高200万円)を所得から差し引けます。還付の目安は「対象額 × その人の所得税率」です。
たとえば医療費が年50万円なら対象額は40万円。所得税率は所得に応じて変わりますが、仮に20%の場合の一般的な例で計算すると8万円が還付の目安になります。実際の税額は他の控除でも変わります。
控除を受けるには確定申告が必要で、医療費控除の明細書を提出します。年収別の試算と申告手順はICLの医療費控除はいくら戻る?年収別の還付額と申告手順にまとめています。最終的な判断は所轄の税務署や国税庁の情報でご確認ください。
後遺症で後悔しないための3ステップ|適応検査を軸に選ぶ
後遺症のリスクを下げる方法は、適応検査を軸に医療機関を選ぶことに尽きます。手順は3つです。
気になる症状が出たときの動き方
後遺症が疑われる症状が出たら、まず執刀した医療機関に相談してください。手術内容と術前の状態を把握しているのは、その院だからです。
感染症のように、初期治療の遅れが結果を左右する症状もあります。受診をためらう必要はありません。
説明に納得できない場合は、セカンドオピニオンという選択肢もあります。その際は術前データと手術内容の記録を持参すると、話が正確に伝わります。
よくある質問
- Q. レーシックの後遺症の発生率はどのくらいですか?
-
A. 症状によって幅があります。
JSCRSによれば、術後感染症は0.1%未満(1万眼以上の報告で0.03〜0.04%)。角膜拡張症も1千眼以上の報告で0.1%未満、再手術は2〜10%です。一方、軽い見え方の変化まで含めると珍しくありません。FDAのPROWL研究では、術前に視覚症状のなかった人のうち43〜46%が術後3か月時点で新たな視覚症状を報告しました。 - Q. レーシックの10年後に後遺症が出ることはありますか?
-
A. 長期では近視の戻りが中心になります。
総説では10年でおおよそ矯正量の10%弱のregressionを生じると報告されています。矯正量が大きい例では再手術や眼鏡使用となることも。また将来の白内障手術で眼内レンズの度数計算がずれやすいため、JSCRSは術前データの保管とレーシックを受けたことの申告が必要としています。 - Q. レーシック後のハログレアやまぶしさは治りますか?
-
A. 多くは3〜6か月ほどで気にならなくなるとされています。
JSCRSによれば、グレア・ハローは角膜切除による収差やドライアイなどさまざまな要因で起こります。すべての人が同じ経過をたどるわけではありません。長引く場合は自己判断せず執刀した医療機関に相談してください。 - Q. 後遺症の症状が出たらどこの病院に行けばよいですか?
-
A. まずは執刀した医療機関へ再受診するのが基本です。
感染症は初期に適切な治療をしないと角膜混濁や矯正視力の低下につながるとJSCRSも示しており、早期の対応が要になります。他院で相談する場合は、術前データと手術内容の記録を持参してください。 - Q. レーシックで失明することはありますか?
-
A. JSCRSはレーシックで失明することはまずないとしています。
ただしごく稀に術後の矯正視力が低下する可能性はあります。その原因として挙げられているのが、感染症・角膜拡張症・レーザーの照射ずれです。過度に恐れるのではなく、頻度と原因のセットで理解しておくと判断しやすくなります。 - Q. ICLならレーシックのような後遺症は起きませんか?
-
A. 起きないとは言えません。
JSCRSによれば、ホールICLでの白内障発生率は0.49%、術後感染は6000眼に1例ほど。一過性の眼圧上昇や打撲による脱臼の報告もあります。一方でICLは角膜の神経へ与える影響がとても小さく、何年経過しても眼内から摘出することが容易です。抜去した場合は手術前と同様にメガネやコンタクトレンズで矯正できます。この構造の差が、後遺症の起き方の違いにつながります。
まとめ|頻度と期間がわかれば、削らない選択肢も落ち着いて選べる
レーシックの後遺症は、症状ごとの頻度と続く期間を押さえれば、漠然とした不安から具体的な判断材料に変わります。
要点の振り返り
- ✔ドライアイは一般に1週間〜3か月、ハロー・グレアは多くが3〜6か月で軽快しやすい
- ✔感染症・角膜拡張症は0.1%未満と頻度は低いが、重くなりうるので早期受診が要
- ✔近視の戻りだけは年単位で進み、10年でおおよそ矯正量の10%弱という報告がある
- ✔削った角膜は戻らないため、適応の判断は手術前にしかできない
- ✔ICLは角膜を削らず、何年経過しても眼内から摘出することが容易な設計
判断の分かれ目は、角膜の厚みと形状、そして度数です。角膜に余裕があればレーシックも選択肢になり、形状がボーダーラインなら有水晶体眼内レンズが推奨されることもあります。
次の一歩は、自分の角膜のデータを測ってもらう適応検査です。数字を手にすれば、迷いの多くはそこで整理できます。

